戦略的かつ実効性の高いIFRS対応

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戦略的IFRS対応の推奨(1)

2010年9月現在、企業のIFRSへの対応状況は大きく2種類に分かれるようになりました。いわゆる「先行会社」と「後続会社」です。先行会社とは、既に全社的なプロジェクトを立ち上げて着々と対応を進めている企業が該当し、後続会社とは、いまだ勉強会開催や情報収集などの事前準備段階に留まっている企業が該当します。

先行会社と比較すると後続会社の対応は大幅に遅れているだけでなく、最近では対応活動そのものが停滞しているように感じられます。

IFRSが強制適用されるのは確定的であり、その適用時期が刻一刻と迫っているにも関わらず、なぜこのように企業の対応が分かれるのでしょうか?

後続会社の多くの企業でIFRS対応を足踏みさせている理由として、「IFRS基準がなかなか決まらないから」また、「他企業の様子を見て最低限度の対応で良い」といった声を多く耳にします。また、その背景には「IFRS対応は思ったより難しくない」と企業側が楽観的に考えるようになったことも一因としてあります。

確かに、IFRS基準で情報開示を行うという最低限の制度要請に対応するだけならば、IFRS対応はそれほど難しくはなく、対応も短期間で済むかも知れません。

しかし、それでは企業にとってIFRSを受け入れるメリットはほとんどなく、単に面倒な決算だけのための業務が増え、システム投資コストだけが出て行くだけの結果になってしまいます。

これに対して、先行会社のIFRSに対する取り組みの特徴は、他の経営課題をIFRSに絡めて対応している場合が多い点にあります。

IFRS基準の本質的な趣旨は、企業グループの利害関係者に有用な情報を企業グループの自主的な判断に基づいて開示することにありますが、この外部に向けて開示される情報は企業グループ内部の管理においても有用な情報であることに変わりがありません。

例えば、IFRSでは資産・負債の公正価値評価が多くの場合で求められますが、この公正価値評価は企業グループ内に潜在的に発生している損失(リスク)を早期に発見、対処することに役立ち、企業グループの進めるリスクマネジメントの活動において有用な情報になります。また、IFRSでは、企業グループの意思決定が行われるセグメントの単位での開示(マネジメント・アプローチ)が求められますが、IFRS対応を契機として企業グループ内部の業績測定と評価の単位を見直すことも戦略的な観点からは有用と言えます。

このように、単なるIFRSへの対応だけでなく、他の経営課題も併せてIFRSに対応することをクニエでは「戦略的IFRS対応」と呼んでいます。

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