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2020.03.16

流通向け販促費の投資対効果をマネジメントする

先進技術を活用した、販促投資効果の最適化に向けて

加藤 忠康 

成熟した市場環境とネット販売の伸長、他社との厳しい競争の下で、販促費の投入による値引き競争に直面している消費財メーカー。これらの販促活動が利益に貢献すれば問題はないが、利益がマイナスになるケースも少なくない。トレードプロモーション[*](流通向け販促活動)は、これまで投資対効果の継続的な検証手法が確立されておらず、同時に、取引関係を重視する日本の商習慣から“聖域”とされてきた領域だった。今ここでも改革の取り組みが始まっている。

[*] 消費財メーカーによる流通向け販促活動で、協賛金やリベート、値引き補填などがその代表。
※当コンテンツは、雑誌Wedge 2018年6月号掲載のPR記事を再構成したものです。

大型支出の割に管理が属人的になりがちな流通向け販促費管理

自社のトレードプロモーションの投資効果は、正確に把握されているだろうか。協賛金やリベート、値引き補填などに代表されるトレードプロモーション費用は、国内消費財メーカーでは年間売上の20%以上を占めるところもある。このうち、利益に貢献できているプロモーション施策は半数以下というケースも珍しくない。大きな支出の割に、投資対効果をしっかり管理し、最適化が図られているケースは極めて限られており、ネット経由の販売が成長する中で、デジタルマーケティングを含めた総合的なトレードプロモーション管理が求められている。

投資対効果の分析には自社データに留まらず、卸・小売の販売データやプロモーションコストなど、多くのデータを必要とするため、現場担当者の経験や、裁量に頼るしかなかったのが実態だ。そのために管理がバラバラで、その範囲も販促費用の申請管理や予実管理、販促効果のスポットでの事後検証など、一部にとどまっていた。トレードプロモーションは利益向上のための「投資」でありながら、その効果を会社として管理しきれていないのが現状だ。投資効果を十分に得られていないのは深刻な問題である。

先進技術を活用した販促費投資の最適化の取り組み

ところが近年は、統計分析技術やIT技術の急速な進歩により、各種販売実績データやプロモーション実績データから、トレードプロモーションの投資対効果の検証や将来予測が可能になった。効果を厳密に測定するには、プロモーションを行わなかった場合の販売数量の推計と、プロモーションを行った場合の販売数量増分の推計を分けて考える必要がある。先進技術を活用して可視化された情報をもとに、販売計画や販促計画のPDCAプロセス・組織体制を整備し、売り上げと利益の管理を強化することが重要となる。こうした、先進技術を活用した販促投資マネジメントの取り組みは、欧米のみならずアジア各地でも広がっている。

国内では当社が先陣を切って、トレードプロモーションのマネジメント支援をスタートさせている。
この取り組みのゴールは、販促投資や取引条件の見直し、さらには社内評価の見直しを行い、販促投資の最適化を図ることである。いきなり投資配分を見直すのはハードルが高いかもしれないが、まずは販促投資の可視化に着手する、これにも大きな意味がある。

国内消費財市場は、人口減少や消費行動の変化などで、今後ますます厳しい局面になると予想される。トレードプロモーション管理・最適化への取り組みは、もはや待ったなしの状態だ。

加藤 忠康

流通・小売・消費財業界担当

マネージングディレクター

戦略系コンサルティング会社を経て、現職。ハイテク、自動車関連、電機・機械、消費財メーカーを対象に、新製品開発プロセス改革、調達改革、需要・供給管理、物流改革、グローバルサプライチェーン改革などに関するコンサルティングに多数従事。現在消費財・流通・小売インダストリーの責任者を務める。

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